腎臓病診療における新型コロナウイルス感染症対応ガイド

腎臓病診療における
新型コロナウイルス感染症対応ガイド
日本腎臓学会 令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)
「Post-corona/with-corona時代における持続可能な腎臓病診療・療養の堅牢な体制構築」研究班

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序文 Preface

新型コロナウイルス感染症(COVID-19) は世界的に拡大しパンデミックの状況を呈しています。日本においても収束時期を見通すことができず、予断を許しません。
高齢者、慢性閉塞性肺疾患、心血管疾患、高血圧等の基礎疾患を有する患者さんは重症化しやすいことが明かになっています。当初より腎臓病、透析患者は、高齢者が多く、これら合併症の有病率が高いことから、重症化高リスク群ではないかと想定されてきました。

腎臓学会では理事長直轄委員会として、新型コロナウイルス(COVID-19)対策小委員会(委員長:東京大学南学正臣教授)」を設置し対応を急いできました。2020年5月1日には「腎臓病診療における新型コロナウイルス感染症対応ガイド」も発出しました。その後、厚生労働科学特別研究事業「Post-corona/with-corona時代における持続可能な腎臓病診療・療養の堅牢な体制構築」研究班が立ち上がり、腎臓学会と共同し、最新情報にupdateしたのが本改訂版であります。委員長以下、医療の最前線で多忙を極めておられる先生方に執筆いただきました。深甚の謝意を表したく存じます。

CKD、透析・移植後患者を対象として、①新型コロナウイルスに対する有効な感染予防、重症化抑制策を示し、同時に、②良質な腎臓病診療が遅滞なく全国で継続され、持続可能な堅牢な体制構築に資することが本ガイド作成の目的です。
どの様な状況下においても、「腎臓病の克服」が私共の変わらない目標です。

一般社団法人日本腎臓学会 理事長 
令和2年度厚生労働行政推進調査事業費補助金(厚生労働科学特別研究事業)
「Post-corona/with-corona時代における持続可能な腎臓病診療・療養の堅牢な体制構築(20CA2039)」 研究班
柏原 直樹

柏原直樹(日本腎臓学会理事長)
猪阪善隆
岡田浩一
加藤規利
小丸陽平
菅原真衣
田村功一
土井研人
南学正臣
西 慎一
福井 亮
丸山彰一
宮崎真理子

  • I.COVID-19について:南学正臣
  • II. COVID-19と急性腎障害:小丸陽平、土井研人
  • III. 保存期CKD患者におけるCOVID-19対応:福井亮、岡田浩一
  • IV. 透析患者、透析施設におけるCOVID-19対応:宮崎真理子、猪阪善隆
  • V. 腎移植患者におけるCOVID-19対応:西慎一
  • VI. COVID-19における RAS阻害薬の使い方:菅原真衣、田村功一
  • VII. COVID-19に伴う凝固線溶異常、TMA:加藤規利、丸山彰一